夜間はドローンの位置や姿勢、周囲の障害物などを目視で把握するのが難しく、墜落などのリスクが高まるため、航空法においてドローンの夜間飛行を規制しています。
ただし、国土交通省に申請を行い承認を得たうえで、夜間飛行を行うことが可能です。山形県鶴岡市で2023年8月19日に開催された第30回赤川花火記念大会を、夜間飛行に最適なドローン「ANAFI Ai」を用いて空撮した事例です。
迫力の大型プログラムや競技大会などで毎年好評を博してきた「赤川花火大会」。2020年に行う予定だった第30回記念大会が中止となりましたが、今年は「ひかり、その先へ~これまでの感謝とこれからの未来へ~」を大会テーマに、4年越しとなる第30回赤川花火記念大会として開催されました。
NTTイードローンは、NTT東日本山形支店ともに、記録映像を撮影させていただくためにドローンの夜間飛行に必要な申請を行ったうえで、ANAFI Aiを用いて第30回赤川花火記念大会を空撮しました。
ドローンの夜間飛行の許可を得るための項目と申請内容
以下のような内容で申請を実施し、許可を得たうえで夜間飛行を実施しました。
ドローンの夜間飛行においては、目視外飛行は実施せず、機体の向きを視認できる灯火が装備された機体を使用し、機体の灯火が容易に認識できる範囲内での飛行に限定する。
飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況でのみ飛行を実施する。
操縦者は、夜間飛行の訓練を修了した者に限る。
補助者についても、飛行させている無人航空機の特性を十分理解させておく。第三者の立入管理措置等を適切に講じる。
夜間の離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で機体離発着場所に十分な照明を確保する。
このような準備を全て着実に行い、当日を迎えました。具体的に一つ一つ見ていきましょう。
1.夜間飛行においては、目視外飛行は実施せず、機体の向きを視認できる灯火が装備された機体を使用し、機体の灯火が容易に認識できる範囲内での飛行に限定する。
今回は夜間飛行に最適なドローン「ANAFI Ai」を使用しました。以下の動画で、実際のどのように灯火が機能しているか確認いただけます。
2.飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在しない状況でのみ飛行を実施する。
離着陸場所は多くの来場者に賑わう花火会場からの距離を十分に確保したうえで、高度100mまで飛行させる計画のため、離着陸場所から100mの範囲内を立入管理とさせていただきました。
3.操縦者は、夜間飛行の訓練を修了した者に限る。
千葉県東金市にあるNTTイードローンのドローンスクール飛行場等で十分な訓練を実施した操縦者のみで実施しました。ドローンスクールの詳細についてはこちらから
4.補助者についても、飛行させている無人航空機の特性を十分理解させておく。または第三者の立入管理措置等を適切に講じる。
補助者を5名配置しましたが、ドローンスクールを受講済みで飛行経験を有するメンバーを配置しました。また、リハーサル等を通じて、立入管理措置を講じたうえで、夜間飛行の飛行練習を実施し、夜間飛行に臨みました
5.夜間の離発着場所において車のヘッドライトや撮影用照明機材等で機体離発着場所に十分な照明を確保する。
照明機材等を用意したうえで、1の動画でもあるようにドローン(ANAFI Ai)の離着陸時の下方ライトとあわせて十分な照明を確保しました。(しかし、照明の明るさに誘われた虫が多く、防虫対策も必要でした)
左下が離着陸場所です
万が一に備えて、機体も2機用意していました。
天候にも恵まれ(暑さ対策と防虫対策も万全に)無事に花火大会の空撮を終えることができました。実行委員会の方々をはじめ、ご協力いただいた皆様ありがとうございました。
ちなみに、「人もしくは家屋が密集している地域の上空での夜間飛行」または「夜間の目視外飛行」については、安全面のリスクがさらに高まるため、より一層入念に飛行計画を検討し、国交省に申請を行う必要があります。その際、申請書には、以下のような項目について具体的に記載していく必要があります。
・ 飛行日時
・ 飛行場所
・ 夜間飛行エリアの策定
・ 補助員の配置図
・ 安全対策の要件
・ 夜間飛行の訓練を行った累計時間
NTTイードローンでは、安全な夜間飛行を実施するための運用ノウハウを蓄積し、ドローン尾夜間飛行の受託も行っていますが、夜間飛行に最適なANAFI Aiのレンタルや販売、さらには夜間飛行の訓練(スクール)も提供しています。
夜間飛行が必要な際には、お気軽にお問合せください。
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